制度をうまく利用すると特許審査を早めることができる。
ここでは、2つの制度について紹介したい。
まずは「審査の効率化」の制度。
今年の4月1日より、特許審査の国際ワークシェアリング(JP-FIRST)の運用が開始される。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/puresu/puresu_jp_first.htm
近年、一国での特許審査の結果を他国でも有効利用する傾向が目立つ。
非常に良いことだと思う。
周知のとおり、特許権は属地主義であり、権利を主張しようとする場合、主張する国で権利をもっていなければならい。
すなわち、日本で権利を持っていても、アメリカでの権利がなければアメリカで権利を主張することはできない。
日米両方で権利主張をするには、日本で特許出願し、日本特許庁の審査を経て権利を取得すると同様に、アメリカでも特許出願をし、アメリカ特許庁の審査を経て権利を取得する必要がある。
このとき、日本特許庁とアメリカ特許庁は、それぞれ独自の審査を行っているのが現状である。
特許審査の国際ワークシェアリング(JP-FIRST)を利用すると、日本特許庁で審査した結果をアメリカ特許庁に送って、アメリカの審査に役立ててもらうことができる。
アメリカ特許庁は、審査を簡略化でき、審査結果を早く出すことができる。
特許庁側にとってもメリットが大きいはずである。
どの国も、審査待ちの出願が増え、審査の迅速化が求められているのだから。
しかも日本では、JP-FIRSTを利用すると他の出願よりも優先的に審査してもらえるというオマケも付くようである。
まだこの制度を利用していないので、実際どのくらい審査が早くなるのか、気になるところだ。
JP-FIRSTと似た制度として、二国間で相互に審査結果を利用し合う特許審査ハイウェイというものがある。
これは、一方の国で特許になると他方の国でもそのまま特許になるというものである。
(日米の特許審査ハイウェイはすでに本年1月4日よりスタート済み。その他、日韓、日独、日英は試行中。)
私はこのうち日韓ハイウェイを利用してみたが、日本で特許になった後、韓国に申請してから約1ヶ月で特許になった。
通常約2年かかる審査が、これを利用すると1ヶ月で終わっている。
この制度を利用すれば非常に早く特許を取得することができるのだ。
次に取り上げる制度は「順番を早くしてもらう」というもの。
わが国には早期審査の制度がある。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/sesaku/pdf/menu/18-shinsa0.pdf
中小企業や個人の出願または外国出願しているもの等は、早期審査の申請が認められると順番を繰り上げて審査してくれる。
すなわち、通常は出願すると審査待ちの長蛇の列の最後尾に並ばなければいけないが、早期審査が認められれば割り込みできるのだ。
これを利用したこともあるが、やはり申請から約1ヶ月で審査結果がでた。
非常に有効な制度であると言える。
しかし考えてみると、早期審査の利用者が増えると、他の審査はどんどん後回しにされる筈。
通常審査を申請しているものもあるので、いずれこの辺もわかってくるだろうが・・・
このように、制度を利用すると審査結果を早く得ることができる。
ここでは、効率化を目指した制度と審査順序を変更する制度の、2とおりの制度を取り上げたが、前者のほうが全体の迅速化が図れるため望ましい制度である。
とは言え、現段階では早期審査制度の利用価値も高いので、うまく使い分けていくことになるだろう。
2008年02月15日
2008年01月25日
特許攻防、攻めるも守るもチエ比べ
A 苦労して苦労して、やっと販売にこぎつけたと思ったら、その新商品が特許権侵害通告の標的にされた。
ショックだったよ。
B そりゃあ、特許を持っているとお金がかかる。
特許権者はいつも辺りを見回して、稼げそうなネタを探してるんだ。
それで、どうしたの?
非抵触だって主張した?
A そうしたくても、まともに引っかかってたな。
B じゃあ、特許無効の証拠探しか?
A それも、なかなか。
B じゃあ設計変更か払うしかないな。
A 設計変更なんて今さら。
でも、相手はその新商品が売れると見て、実施権許諾の契約をしようって迫ってきた。
B 余程安くしてもらわないと、利益を全部持っていかれるな。
A そう。
まだ販売を開始したばかりだったんで、止めてしまえば払わずに済む。
でも、せっかく苦労して開発したものを止める訳にはいかず、利益を吸い取られたくもない。
B それで?
A うん、それで新商品の一つ前の試作品に目をつけた。
B あ、やっぱり設計変更になったか。
A いや。オトリに使っただけだ。
B ん?
A 通告者に試作品を見せてこう言った。
「ロイヤリティを払い続けるより、このモデルに変えることを検討しています。
変えてしまえば貴社への支払はありませんが、ウチは金型その他に費用がかかります。
もし、その費用分を解決金として貴社に払うことで済ませていただけたら、双方にメリットがあるんではないでしょうか?」って。
B ほー。
A 結局、金額交渉になったよ。
最初の提示額より少々多く払うことになったけど、新商品は期待通りよく売れた。
カゲの声 (結果オーライ? でも、開発段階で充分な特許調査が行われていたら、こんな、薄氷を踏むような交渉は避けられたでしょうね。)
ショックだったよ。
B そりゃあ、特許を持っているとお金がかかる。
特許権者はいつも辺りを見回して、稼げそうなネタを探してるんだ。
それで、どうしたの?
非抵触だって主張した?
A そうしたくても、まともに引っかかってたな。
B じゃあ、特許無効の証拠探しか?
A それも、なかなか。
B じゃあ設計変更か払うしかないな。
A 設計変更なんて今さら。
でも、相手はその新商品が売れると見て、実施権許諾の契約をしようって迫ってきた。
B 余程安くしてもらわないと、利益を全部持っていかれるな。
A そう。
まだ販売を開始したばかりだったんで、止めてしまえば払わずに済む。
でも、せっかく苦労して開発したものを止める訳にはいかず、利益を吸い取られたくもない。
B それで?
A うん、それで新商品の一つ前の試作品に目をつけた。
B あ、やっぱり設計変更になったか。
A いや。オトリに使っただけだ。
B ん?
A 通告者に試作品を見せてこう言った。
「ロイヤリティを払い続けるより、このモデルに変えることを検討しています。
変えてしまえば貴社への支払はありませんが、ウチは金型その他に費用がかかります。
もし、その費用分を解決金として貴社に払うことで済ませていただけたら、双方にメリットがあるんではないでしょうか?」って。
B ほー。
A 結局、金額交渉になったよ。
最初の提示額より少々多く払うことになったけど、新商品は期待通りよく売れた。
カゲの声 (結果オーライ? でも、開発段階で充分な特許調査が行われていたら、こんな、薄氷を踏むような交渉は避けられたでしょうね。)
2007年12月23日
午後12時と翌日の午前零時は同じではない
1970年の著作権法の改正により、それまで公表から38年であった著作権の保護期間が50年となった。
これでいくと、1953年に公開された映画『シェーン』の著作権保護期間は2003年末日までとなる。
2004年1月1日には改正著作権法が施行され、映画については著作権の保護期間が公表から70年となった。
この改正法は、2003年までに存在しなくなった著作権には適用されない。
さて、『シェーン』の配給元であるパラマウント・ピクチュアズ等は、次のような主張を展開した。
「2003年12月31日午後12時と2004年1月1日午前零時は同じである。
『シェーン』の著作権は2004年1月1日午前零時時点では存在しており、したがって著作権保護期間は2023年まで認められてしかるべきである。」この主張のもと格安DVD販売会社2社に対する訴えを起こしたのだが、結果は敗訴。
この主張は、知財高裁でも認められなかった (2007年3月29日)。
原告は、これを不服として上告したが、2007年12月18日、最高裁は、この上告を棄却した。
2003年12月31日午後12時は、2003年の終わりを意味し、2004年1月1日午前零時は、2004年の始まりを意味する。
午後12時と翌日の午前零時は同じではない。
というのが最高裁の判断である。
これにより、2003年12月31日午後12時まで存在していた映画の著作権保護期間は2003年で終わり、2004年1月1日午前零時には存在しないので改正法の適用はない、ということになった。
これでいくと、1953年に公開された映画『シェーン』の著作権保護期間は2003年末日までとなる。
2004年1月1日には改正著作権法が施行され、映画については著作権の保護期間が公表から70年となった。
この改正法は、2003年までに存在しなくなった著作権には適用されない。
さて、『シェーン』の配給元であるパラマウント・ピクチュアズ等は、次のような主張を展開した。
「2003年12月31日午後12時と2004年1月1日午前零時は同じである。
『シェーン』の著作権は2004年1月1日午前零時時点では存在しており、したがって著作権保護期間は2023年まで認められてしかるべきである。」この主張のもと格安DVD販売会社2社に対する訴えを起こしたのだが、結果は敗訴。
この主張は、知財高裁でも認められなかった (2007年3月29日)。
原告は、これを不服として上告したが、2007年12月18日、最高裁は、この上告を棄却した。
2003年12月31日午後12時は、2003年の終わりを意味し、2004年1月1日午前零時は、2004年の始まりを意味する。
午後12時と翌日の午前零時は同じではない。
というのが最高裁の判断である。
これにより、2003年12月31日午後12時まで存在していた映画の著作権保護期間は2003年で終わり、2004年1月1日午前零時には存在しないので改正法の適用はない、ということになった。
2007年11月19日
なるほど、なるほど。でも安く買いたい!
11月8日のキヤノンのインクタンク特許侵害事件の最高裁判決は、とても明快でした。
いったん販売した商品については、たとえそれが特許商品であっても再び特許権を行使することはできないという「消尽説」。
特許料を二重、三重に稼ぐことを防止する考え方ですが、この「消尽説」は認めながら、いったん使用した後のリサイクル・インクタンクを特許侵害商品と認定した訳です。
キヤノンが販売するインクカートリッジのインクタンクとリサイクル品のインクタンクは同一品ではないから「消尽説」は適用されない。
特許の技術的範囲に含まれるので侵害品となる、ということだと思います。
確かに、インクを使い切ったインクタンクはそのままでは再使用できず、再度インクを充填するための孔も明けねばならない。そのような加工を施すことにより同一性が損なわれてしまい、その結果、特許侵害商品となる訳ですね。
複写機メーカーは、複写用紙で儲け、
エレベータメーカーは、定期点検で儲け、
プリンタメーカーは、インクカートリッジで儲ける、
という仕掛け。
「リサイクル」自体は“善”である筈。
使用後のインクタンクを、同一性を損なうことなくリサイクルできないものでしょうか?
一消費者としての思いです。
いったん販売した商品については、たとえそれが特許商品であっても再び特許権を行使することはできないという「消尽説」。
特許料を二重、三重に稼ぐことを防止する考え方ですが、この「消尽説」は認めながら、いったん使用した後のリサイクル・インクタンクを特許侵害商品と認定した訳です。
キヤノンが販売するインクカートリッジのインクタンクとリサイクル品のインクタンクは同一品ではないから「消尽説」は適用されない。
特許の技術的範囲に含まれるので侵害品となる、ということだと思います。
確かに、インクを使い切ったインクタンクはそのままでは再使用できず、再度インクを充填するための孔も明けねばならない。そのような加工を施すことにより同一性が損なわれてしまい、その結果、特許侵害商品となる訳ですね。
複写機メーカーは、複写用紙で儲け、
エレベータメーカーは、定期点検で儲け、
プリンタメーカーは、インクカートリッジで儲ける、
という仕掛け。
「リサイクル」自体は“善”である筈。
使用後のインクタンクを、同一性を損なうことなくリサイクルできないものでしょうか?
一消費者としての思いです。
2007年09月01日
ミスリードの恐れあり!
8月10日付日経朝刊は、米国の2006年における特許出願件数が日本を上回ったことについて報じている。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070810AT2M1000710082007.html
日経は、米国の特許出願件数が延びた理由について、「米国が先発明主義から先出願主義に転換する方針を先取りし、各国企業が米国出願を急ぐ姿勢に転じたため」と述べている。
確かに、「先出願主義」への転換も、米国の特許出願件数に影響を与えた一因ではあろうが、出願件数の推移をもう少し長いスパンで考察すべきではないだろうか。
米国の特許出願件数が10万件そこそこだった1960年代、日本の特許出願件数が急速に延び、米国を一気に抜き去った。
出願審査請求制度や出願公開制度ができたのも、その頃 (1970年より施行) だった。
日本の特許出願件数の急速な延びは1980年代まで続いたが、1990年代になると鈍化し、今日に至っている。
特許請求の範囲に多数の請求項を記載するようになり、1出願の重みが増すにつれ、最近では出願件数はむしろ減少傾向にある。
これに対し米国の特許出願件数は、1980年代半ばに横ばい状態から上昇傾向に転じ、その延びが加速しつつある。
1960年代以降のこのような日米の特許出願件数の推移を見ていくと、06年における日米の出願件数の逆転は当然のことともいえるだろう。
つまり、「先発明主義から先出願主義に転換する方針」を打ち出したことと「出願件数が延びた」こととの因果関係はさほど強くないのである。
しかし、新聞報道だけを目にした読者は、誤った因果関係をシッカリとインプットされてしまう。
これも同じく日経の記事だが、知財高裁が「カブス」商標を認めたとの報道も、“問題あり”と思えるものだ。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070809AT1G0802208082007.html
「カブス」商標は、「C」の文字の中に「UBS」と小さく書かれている (The Chicago Cubs)。
シカゴ・カブスは2000年に日本の特許庁に商標登録出願したが、特許庁は「UBS」というスイスの金融機関 (http://www.ubs.com/) の商標との識別性が認められないとの理由で登録できないと判断したようである。
これは「カブス」と読めるかどうかという問題ではなく、識別性があるかどうかの問題である。
一方、知財高裁は「今や大リーグの情報は日本にも充分伝わっており、「C」の中に「UBS」と小さく書かれた商標はカブスの商標と認識される。よって、識別性はある」と判断した。
これを取り上げた日経の記事では、「「カブス」と読めるかどうかが争点」と報道している。
こういう書き方をすると、商標にあまり詳しくない読者は、「商標は、ちゃんと読めないと登録されないのだ」と思ってしまうかもしれない。
このような新聞報道により、「ちゃんと読めることが商標の登録要件」という誤った知識をインプットしてしまうのである。
新聞報道は、充分に慎重であって欲しいと願うものである。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070810AT2M1000710082007.html
日経は、米国の特許出願件数が延びた理由について、「米国が先発明主義から先出願主義に転換する方針を先取りし、各国企業が米国出願を急ぐ姿勢に転じたため」と述べている。
確かに、「先出願主義」への転換も、米国の特許出願件数に影響を与えた一因ではあろうが、出願件数の推移をもう少し長いスパンで考察すべきではないだろうか。
米国の特許出願件数が10万件そこそこだった1960年代、日本の特許出願件数が急速に延び、米国を一気に抜き去った。
出願審査請求制度や出願公開制度ができたのも、その頃 (1970年より施行) だった。
日本の特許出願件数の急速な延びは1980年代まで続いたが、1990年代になると鈍化し、今日に至っている。
特許請求の範囲に多数の請求項を記載するようになり、1出願の重みが増すにつれ、最近では出願件数はむしろ減少傾向にある。
これに対し米国の特許出願件数は、1980年代半ばに横ばい状態から上昇傾向に転じ、その延びが加速しつつある。
1960年代以降のこのような日米の特許出願件数の推移を見ていくと、06年における日米の出願件数の逆転は当然のことともいえるだろう。
つまり、「先発明主義から先出願主義に転換する方針」を打ち出したことと「出願件数が延びた」こととの因果関係はさほど強くないのである。
しかし、新聞報道だけを目にした読者は、誤った因果関係をシッカリとインプットされてしまう。
これも同じく日経の記事だが、知財高裁が「カブス」商標を認めたとの報道も、“問題あり”と思えるものだ。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070809AT1G0802208082007.html
「カブス」商標は、「C」の文字の中に「UBS」と小さく書かれている (The Chicago Cubs)。
シカゴ・カブスは2000年に日本の特許庁に商標登録出願したが、特許庁は「UBS」というスイスの金融機関 (http://www.ubs.com/) の商標との識別性が認められないとの理由で登録できないと判断したようである。
これは「カブス」と読めるかどうかという問題ではなく、識別性があるかどうかの問題である。
一方、知財高裁は「今や大リーグの情報は日本にも充分伝わっており、「C」の中に「UBS」と小さく書かれた商標はカブスの商標と認識される。よって、識別性はある」と判断した。
これを取り上げた日経の記事では、「「カブス」と読めるかどうかが争点」と報道している。
こういう書き方をすると、商標にあまり詳しくない読者は、「商標は、ちゃんと読めないと登録されないのだ」と思ってしまうかもしれない。
このような新聞報道により、「ちゃんと読めることが商標の登録要件」という誤った知識をインプットしてしまうのである。
新聞報道は、充分に慎重であって欲しいと願うものである。
2007年07月28日
地域ブランド事情を考える
最近、「地域ブランド」という言葉をよく耳にするようになった。
これは地域の特産品等を他の地域のものと差別化するためにブランド化したもので、地方活性化に非常に有効な手段と考えられている。
各地で地域ブランドへの取り組みが盛んになった背景には、2006年4月1日に商標法が改正されたことがある。
この時の改正により「地域団体商標制度」がスタートし、一定の要件を満たす団体 (事業協同組合、農業協同組合等) は、「地名+商品・役務(サービス)名」といった文字のみの商標 (いわゆる「地域ブランド」) を登録することできるようになったのである。
自治体によっては地域ブランド登録の促進策を打ち出しているところもある。
たとえば「飛騨牛」「美濃焼」などの地域ブランドを擁する岐阜市は、「地域団体商標」出願費用の2分の1または10万円を限度として補助している。
登録されると、知名度アップに加えて、勝手に「飛騨牛」を使うと商標権侵害になる訳だから、商品やサービスに関する信頼度も高まっていくだろう。
商品やサービスの信頼性は、もちろん消費者にも多大なメリットをもたらすことだから、「地域ブランド」は大いに歓迎である。
特許庁HPで調べてみると2007年7月17日現在、252件が登録され、700件以上が出願中であった。
商標登録されたものとされなかったものとを見るのは興味深い。
たとえば、だれもが耳にした事のある「松坂牛」や「和歌山ラーメン」は商標登録となった。
その一方で、同様に知名度が高い「讃岐うどん」や「喜多方ラーメン」は、一般名称化しているとみなされ、登録されなかった。
後者のように商標を取得できない場合には、地元団体等の独自認定制度で「地域ブランド」を守る方法が考えられるが、あまり効果は期待できそうにない。
海外に目を向けると、中国では2003年4月に中国企業が出願していた商標「青森」が公告となり、青森産ブランドのリンゴを中国へ輸出すると商標法の違反となるだけでなく、青森県産ではないりんごなどが「青森」というブランドで中国国内を流通する恐れがある。(この件については青森県などが異議申し立て中だが、未だ解決に至っていないようである)
確かに、中国国内でのことは中国の法制下で行われることであり、他国が口出しすべきことではないのだろうが、こういった問題については、「国」レベルで話し合っていく必要があるのではないだろうか。
国同士の話し合いは国に任せるとして、このような事態を避けるために、海外でも商標を取得して商標を守っていくことになるだろう。
多額の費用がかかってしまうという問題はあるが、積極的に取り組んでほしいものだ。
「合法的なニセモノ」には、やはり合法的に立ち向かう必要があると思うのである。
これは地域の特産品等を他の地域のものと差別化するためにブランド化したもので、地方活性化に非常に有効な手段と考えられている。
各地で地域ブランドへの取り組みが盛んになった背景には、2006年4月1日に商標法が改正されたことがある。
この時の改正により「地域団体商標制度」がスタートし、一定の要件を満たす団体 (事業協同組合、農業協同組合等) は、「地名+商品・役務(サービス)名」といった文字のみの商標 (いわゆる「地域ブランド」) を登録することできるようになったのである。
自治体によっては地域ブランド登録の促進策を打ち出しているところもある。
たとえば「飛騨牛」「美濃焼」などの地域ブランドを擁する岐阜市は、「地域団体商標」出願費用の2分の1または10万円を限度として補助している。
登録されると、知名度アップに加えて、勝手に「飛騨牛」を使うと商標権侵害になる訳だから、商品やサービスに関する信頼度も高まっていくだろう。
商品やサービスの信頼性は、もちろん消費者にも多大なメリットをもたらすことだから、「地域ブランド」は大いに歓迎である。
特許庁HPで調べてみると2007年7月17日現在、252件が登録され、700件以上が出願中であった。
商標登録されたものとされなかったものとを見るのは興味深い。
たとえば、だれもが耳にした事のある「松坂牛」や「和歌山ラーメン」は商標登録となった。
その一方で、同様に知名度が高い「讃岐うどん」や「喜多方ラーメン」は、一般名称化しているとみなされ、登録されなかった。
後者のように商標を取得できない場合には、地元団体等の独自認定制度で「地域ブランド」を守る方法が考えられるが、あまり効果は期待できそうにない。
海外に目を向けると、中国では2003年4月に中国企業が出願していた商標「青森」が公告となり、青森産ブランドのリンゴを中国へ輸出すると商標法の違反となるだけでなく、青森県産ではないりんごなどが「青森」というブランドで中国国内を流通する恐れがある。(この件については青森県などが異議申し立て中だが、未だ解決に至っていないようである)
確かに、中国国内でのことは中国の法制下で行われることであり、他国が口出しすべきことではないのだろうが、こういった問題については、「国」レベルで話し合っていく必要があるのではないだろうか。
国同士の話し合いは国に任せるとして、このような事態を避けるために、海外でも商標を取得して商標を守っていくことになるだろう。
多額の費用がかかってしまうという問題はあるが、積極的に取り組んでほしいものだ。
「合法的なニセモノ」には、やはり合法的に立ち向かう必要があると思うのである。
2007年07月22日
ローマの休日
特許調査 (証拠探し) でローマを訪れたときのこと。
空港で出迎えてくれたN氏は自称“貧乏医者”。N氏と奥さんはともに日本人で、ローマで出会い、結婚し、そのままローマに住みついてしまった。
初対面のN氏は、あいさつもそこそこにこう切り出した。
「これから私は近くの村まで往診に行きます。そこで祭りがあるので、私の仕事が終わるまで祭りを見物しませんか?」
彼が言う“近くの村”まで車で2時間以上かかった。
夕方5時頃空港を出たから、村に着いたときにはもうすっかり暗くなっていた。
一つの丘が村になっていた。
1時間後に村の入口で再会することにして、彼は仕事へ、私は祭りの人ごみの中へ。
開け放たれた家々が連なっていて、手作りの小物品を売っていたり、ビールやワインを売っているだけなのに、何故か皆とても楽しそう。
小物一つ買っては笑い、ワインを飲んではまた笑う。
そういう人達を見て、ワケもなく楽しくなってきた。
何か小さなものを買って「グラッツェ」と言ったら、主の巨大なおばさまが「ノー、ノー。グゥララララッツェ」と、大きな声で私に「アリガトウ」のレッスンを始めた。
舌を転がして「ララララッ」とやらないとダメらしい。
やっと「OK」となったとき、周りで拍手が起きた。
おばさまの声があまりに大きいので、周りに人が集まっていたのだった。
心和む初めてのローマ。懐かしいローマの休日。
空港で出迎えてくれたN氏は自称“貧乏医者”。N氏と奥さんはともに日本人で、ローマで出会い、結婚し、そのままローマに住みついてしまった。
初対面のN氏は、あいさつもそこそこにこう切り出した。
「これから私は近くの村まで往診に行きます。そこで祭りがあるので、私の仕事が終わるまで祭りを見物しませんか?」
彼が言う“近くの村”まで車で2時間以上かかった。
夕方5時頃空港を出たから、村に着いたときにはもうすっかり暗くなっていた。
一つの丘が村になっていた。
1時間後に村の入口で再会することにして、彼は仕事へ、私は祭りの人ごみの中へ。
開け放たれた家々が連なっていて、手作りの小物品を売っていたり、ビールやワインを売っているだけなのに、何故か皆とても楽しそう。
小物一つ買っては笑い、ワインを飲んではまた笑う。
そういう人達を見て、ワケもなく楽しくなってきた。
何か小さなものを買って「グラッツェ」と言ったら、主の巨大なおばさまが「ノー、ノー。グゥララララッツェ」と、大きな声で私に「アリガトウ」のレッスンを始めた。
舌を転がして「ララララッ」とやらないとダメらしい。
やっと「OK」となったとき、周りで拍手が起きた。
おばさまの声があまりに大きいので、周りに人が集まっていたのだった。
心和む初めてのローマ。懐かしいローマの休日。
2007年06月26日
世界特許へ向けて
2007年6月5日、少し前のことになるが、特許庁のHPに「五大特許庁会合の結果概要について」という記事が掲載された。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/kokusai/kokusai2/godai_kaigou.htm
この記事には、「日米欧韓中の5か国・地域の特許庁は、5月11日、12日にハワイ・ホノルルにて長官会合を初めて開催しました。日米欧、日中韓のそれぞれ三極長官会合は開催されていましたが、これらを繋ぐ五庁間での開催は初の試みとなります。」と書かれている。
三極会議は時々耳にしていたが、確かに五庁間の会議は聞いたことがない。
この記事でまず目を惹いたのは、「日米欧韓中の出願人による特許出願数は、世界全体の84%を占めている」という記述である。
確かにこの5か国からの出願人は多いと感じていたが、ここまで多いとは思っていなかった。
さて、この会合のおもな目的は、増加した国際出願について課題となっている「審査の遅延」、「手続きが複雑」などの課題を、将来的に五庁間で協力して改善していくことにあるだろう。
たしかに現在、「審査の高速化」については、日米、日英、日韓で試行している「特許審査ハイウェイ」がある。
また、「手続きの簡略化」についても、PCT出願(特許協力条約に基づく国際出願)がある。これらに関しても、早期権利化、手続きの簡略化をできるようにするべく、問題点を改善しながら法整備が進められている。
しかし、この会合は、これらを全て包括する「世界特許」へ向けた第一歩ではないかと希望的観測を持ってとらえたくなる。
「世界特許」には非常に難しい問題が多々あるのは事実であるが、特許庁の記事にもあるように、日米欧韓中の出願人による特許出願数が84%である状況を踏まえ、まずはこの5か国での「統一特許」を実現してもらいたいものである。
出願人にとっては、複数国出願対応のためにかかる「審査状況を各国別々に把握する管理」「煩雑な手続き」などから解放され、コストメリットは大きい。
ただ、世界特許をコスト面だけで考えるのは片手落ちといえるだろう。
そもそも特許制度自体は一国産業の発展を目的とする、属地主義政策の最たるものであり、世界特許となれば、世界各国に共通の利益をもたらすものでなくてはならないはずだ。
1883年に発足したパリ条約は、まさに、各国の属地主義を尊重しながら各々の法制度を限りなく近づけていこうとするものだった。
出願数84%の国々は、残り16%に属する大多数の国々への配慮を決して怠ってはならないのだ。
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/kokusai/kokusai2/godai_kaigou.htm
この記事には、「日米欧韓中の5か国・地域の特許庁は、5月11日、12日にハワイ・ホノルルにて長官会合を初めて開催しました。日米欧、日中韓のそれぞれ三極長官会合は開催されていましたが、これらを繋ぐ五庁間での開催は初の試みとなります。」と書かれている。
三極会議は時々耳にしていたが、確かに五庁間の会議は聞いたことがない。
この記事でまず目を惹いたのは、「日米欧韓中の出願人による特許出願数は、世界全体の84%を占めている」という記述である。
確かにこの5か国からの出願人は多いと感じていたが、ここまで多いとは思っていなかった。
さて、この会合のおもな目的は、増加した国際出願について課題となっている「審査の遅延」、「手続きが複雑」などの課題を、将来的に五庁間で協力して改善していくことにあるだろう。
たしかに現在、「審査の高速化」については、日米、日英、日韓で試行している「特許審査ハイウェイ」がある。
また、「手続きの簡略化」についても、PCT出願(特許協力条約に基づく国際出願)がある。これらに関しても、早期権利化、手続きの簡略化をできるようにするべく、問題点を改善しながら法整備が進められている。
しかし、この会合は、これらを全て包括する「世界特許」へ向けた第一歩ではないかと希望的観測を持ってとらえたくなる。
「世界特許」には非常に難しい問題が多々あるのは事実であるが、特許庁の記事にもあるように、日米欧韓中の出願人による特許出願数が84%である状況を踏まえ、まずはこの5か国での「統一特許」を実現してもらいたいものである。
出願人にとっては、複数国出願対応のためにかかる「審査状況を各国別々に把握する管理」「煩雑な手続き」などから解放され、コストメリットは大きい。
ただ、世界特許をコスト面だけで考えるのは片手落ちといえるだろう。
そもそも特許制度自体は一国産業の発展を目的とする、属地主義政策の最たるものであり、世界特許となれば、世界各国に共通の利益をもたらすものでなくてはならないはずだ。
1883年に発足したパリ条約は、まさに、各国の属地主義を尊重しながら各々の法制度を限りなく近づけていこうとするものだった。
出願数84%の国々は、残り16%に属する大多数の国々への配慮を決して怠ってはならないのだ。
2007年05月22日
川下からの模倣品対策
中国で製造された模倣品は、世界中の市場に流出している。
そんな中で、ある日本企業は、次のような対策で実績をあげている。
その企業は、アメリカ市場で模倣品を収集し、アメリカの販売業者に問題を提起して実施料を払わせるのである (この際、アメリカで特許権を取得していることが前提となる)。
実施料の支払いを要求されたアメリカの業者は、その“ツケ”を納入業者に回す。
模倣業者からアメリカの業者に至る流通経路には、通常いくつもの業者が介在している。
アメリカの業者が納入業者に回した“ツケ”という形の圧力は、模倣品の流通経路を遡り、次第に増強されて模倣業者に及ぶ。
納入先からのこのような形での圧力は、特許権者から受ける攻撃の比ではない。
模倣業者は、模倣品を製造することがワリに合わないことを、思い知ることになる、というわけだ。
特許権者から模倣品販売業者、そして模倣業者への圧力伝搬のカラクリについてもう少し詳しく説明すると次のようになる。
特許権者が他社に特許権侵害の問題を提起したとき、その会社 (実際には侵害者でないこともあるので、ここでは「被疑者」としておく) は、たとえ模倣業者であっても、「侵害していない」と反発するのが普通である。
特許権の技術的範囲 (つまり「守備範囲」) は「請求の範囲」の記載によって決まるので、自分の製品は特許権の技術的範囲に属していない、と反発理由をあげていくのが一般的である。
「請求の範囲」中の一言一句を捕らえて、「属している」「属していない」と、やりあうことになるが、決着がつかなければ裁判の場で争われることになることもよくある。
ところが、特許権者としては、被疑者に対して問題提起するだけでなく、被疑者の納入先 (つまり顧客) に対しても、特許権侵害の通告をすることができるのである。
そうなると、被疑者の顧客としては「何でオレが文句いわれなきゃあならんのだ!」と不愉快になり、被疑者に対して「こんな問題を起こすなら取引停止だ!」ということになる。
被疑者としては、こういう状況がとても辛い。お金を払ってくれるお客様から言われると無視することもできないので、特許権者から言われるよりも、はるかに影響が大きいのだ。
このようにして、被疑者は顧客から大きな圧力を受けることになるのである。
さらに、顧客が特許権者になにがしか支払ったとすると、顧客は被疑者に対して支払い金額に「不愉快度」あるいは「迷惑度」を掛け合わせた金額を被疑者に請求してくることになるだろう。
これも、顧客から被疑者へのとても大きな圧力になる。
先の事例では、模倣業者からアメリカの業者に至る流通経路中にたくさんの業者が介在するため、圧力は増幅する。
仮にアメリカの業者が特許権者に1000万円払い、納入業者には1500万円要求したとしよう。この場合「不愉快度」もしくは「迷惑度」は、1.5倍ということだ。
したがってその納入業者も自分の納入業者に1.5倍を要求し、その次も1.5倍ずつ掛け合わされていって、たとえば5段階遡ると、最も上流の模倣業者には、アメリカ業者の支払い額の 1.55 倍、つまり7〜8倍が要求されることになるのである。
もちろん、上の議論は単なる数字上の話であり、「不愉快度」もしくは「迷惑度」がどのくらいの値になるか検証は困難であるし、単純に掛け合わされていくものかどうかも状況によるだろう。
しかし、「納入元→納入先」の関係において「納入元」が「納入先」から、「この問題を早く解決しないと取引停止だ!」と言われることは、間違いない。
そんな中で、ある日本企業は、次のような対策で実績をあげている。
その企業は、アメリカ市場で模倣品を収集し、アメリカの販売業者に問題を提起して実施料を払わせるのである (この際、アメリカで特許権を取得していることが前提となる)。
実施料の支払いを要求されたアメリカの業者は、その“ツケ”を納入業者に回す。
模倣業者からアメリカの業者に至る流通経路には、通常いくつもの業者が介在している。
アメリカの業者が納入業者に回した“ツケ”という形の圧力は、模倣品の流通経路を遡り、次第に増強されて模倣業者に及ぶ。
納入先からのこのような形での圧力は、特許権者から受ける攻撃の比ではない。
模倣業者は、模倣品を製造することがワリに合わないことを、思い知ることになる、というわけだ。
特許権者から模倣品販売業者、そして模倣業者への圧力伝搬のカラクリについてもう少し詳しく説明すると次のようになる。
特許権者が他社に特許権侵害の問題を提起したとき、その会社 (実際には侵害者でないこともあるので、ここでは「被疑者」としておく) は、たとえ模倣業者であっても、「侵害していない」と反発するのが普通である。
特許権の技術的範囲 (つまり「守備範囲」) は「請求の範囲」の記載によって決まるので、自分の製品は特許権の技術的範囲に属していない、と反発理由をあげていくのが一般的である。
「請求の範囲」中の一言一句を捕らえて、「属している」「属していない」と、やりあうことになるが、決着がつかなければ裁判の場で争われることになることもよくある。
ところが、特許権者としては、被疑者に対して問題提起するだけでなく、被疑者の納入先 (つまり顧客) に対しても、特許権侵害の通告をすることができるのである。
そうなると、被疑者の顧客としては「何でオレが文句いわれなきゃあならんのだ!」と不愉快になり、被疑者に対して「こんな問題を起こすなら取引停止だ!」ということになる。
被疑者としては、こういう状況がとても辛い。お金を払ってくれるお客様から言われると無視することもできないので、特許権者から言われるよりも、はるかに影響が大きいのだ。
このようにして、被疑者は顧客から大きな圧力を受けることになるのである。
さらに、顧客が特許権者になにがしか支払ったとすると、顧客は被疑者に対して支払い金額に「不愉快度」あるいは「迷惑度」を掛け合わせた金額を被疑者に請求してくることになるだろう。
これも、顧客から被疑者へのとても大きな圧力になる。
先の事例では、模倣業者からアメリカの業者に至る流通経路中にたくさんの業者が介在するため、圧力は増幅する。
仮にアメリカの業者が特許権者に1000万円払い、納入業者には1500万円要求したとしよう。この場合「不愉快度」もしくは「迷惑度」は、1.5倍ということだ。
したがってその納入業者も自分の納入業者に1.5倍を要求し、その次も1.5倍ずつ掛け合わされていって、たとえば5段階遡ると、最も上流の模倣業者には、アメリカ業者の支払い額の 1.55 倍、つまり7〜8倍が要求されることになるのである。
もちろん、上の議論は単なる数字上の話であり、「不愉快度」もしくは「迷惑度」がどのくらいの値になるか検証は困難であるし、単純に掛け合わされていくものかどうかも状況によるだろう。
しかし、「納入元→納入先」の関係において「納入元」が「納入先」から、「この問題を早く解決しないと取引停止だ!」と言われることは、間違いない。
2007年05月09日
模倣の果て
スイスのネスレ、米マイクロソフト等の有力企業連合による調査結果によると、模倣品対策ワースト国は、上位4位は中国、ロシア、インド、ブラジルとのこと。
見事にBRICsの4カ国。
文字配列を順位通りに揃えると、CRIBsとなる。
“CRIB”を英和辞典で調べたら、なんと「無断使用」とある。
模倣品を製造・販売してもワリが合わなければ、模倣品は減るはずだ。
模倣品が減らないということは、模倣品を製造・販売することが、ワリが合うのだろう。
「それなら罰則を強化すればいい」という単純なものでもないだろう。
どうも「罰則を科す」→「抜け道を探す」という論理構造が彼らのどこかにあるように思えてならない。
かつての "メイド・イン・ジャパン" のように、ブランドとしての "メイド・イン・チャイナ" に誇りを持てるようになれば、自然と不良製品は減っていくのではないか、というのはあまりに性善説に寄り過ぎか。
性悪説で罰則で締め付けていけば、どんどん暗がりに行ってしまう。
ただ、現実問題として、しょうがないというのが辛いところだ。
特許の侵害問題には、全く異質な二つのものが混在していると思っている。
一つは、故意の模倣による侵害。
いま一つは独自に研究開発したにもかかわらず、たまたまそこに特許が存在し、侵害と言われてしまったという侵害。
前者は、本来、侵害以前の問題であり、侵害問題の風上にも置けない。
技術論や法律論を戦わす価値もないものだと思う。
本来、技術論、法律論を戦わす価値のあるのは、後者である。
中国は、国内の企業が本当に技術力をつけていき、そういう企業が模倣者たちの被害を蒙るようになれば、本気で取り締まりを厳しくするようになるだろう。
国策として、優良企業の足を引っ張るのを止めさせなければならないだろうから。
それまでは、のらりくらりの二枚舌。
見事にBRICsの4カ国。
文字配列を順位通りに揃えると、CRIBsとなる。
“CRIB”を英和辞典で調べたら、なんと「無断使用」とある。
模倣品を製造・販売してもワリが合わなければ、模倣品は減るはずだ。
模倣品が減らないということは、模倣品を製造・販売することが、ワリが合うのだろう。
「それなら罰則を強化すればいい」という単純なものでもないだろう。
どうも「罰則を科す」→「抜け道を探す」という論理構造が彼らのどこかにあるように思えてならない。
かつての "メイド・イン・ジャパン" のように、ブランドとしての "メイド・イン・チャイナ" に誇りを持てるようになれば、自然と不良製品は減っていくのではないか、というのはあまりに性善説に寄り過ぎか。
性悪説で罰則で締め付けていけば、どんどん暗がりに行ってしまう。
ただ、現実問題として、しょうがないというのが辛いところだ。
特許の侵害問題には、全く異質な二つのものが混在していると思っている。
一つは、故意の模倣による侵害。
いま一つは独自に研究開発したにもかかわらず、たまたまそこに特許が存在し、侵害と言われてしまったという侵害。
前者は、本来、侵害以前の問題であり、侵害問題の風上にも置けない。
技術論や法律論を戦わす価値もないものだと思う。
本来、技術論、法律論を戦わす価値のあるのは、後者である。
中国は、国内の企業が本当に技術力をつけていき、そういう企業が模倣者たちの被害を蒙るようになれば、本気で取り締まりを厳しくするようになるだろう。
国策として、優良企業の足を引っ張るのを止めさせなければならないだろうから。
それまでは、のらりくらりの二枚舌。



